皆さん、日々暮らす中で、幸せになりたいという気持ちは、大いにあると思います。
私自身も幸せになりたいですし、家族の幸せを願ってやみません。
それでは、その幸せの要因とは何でしょうか? 何が決め手になって、人間は幸福だと感じるのでしょうか?
さまざまな研究がされていますが、日本でも神戸大学の研究チームが一つの答えを導き出しています。それは自己決定が幸福感に大きな影響を与えているということです。

約2万人に対して調査を行った結果、幸福感をもたらすものは年収や学歴ではなく自己決定だとしました。ちなみに自己決定の次は、健康、人間関係です。
子育てする上でも、「子供が自分で決める」という要素をどこかに割り込むことが非常に重要になります。教育というものを間違ってとらえている大人は、子供に対して一方的に知識を教え込もうとします。子どもを大人のいいなりにさせて、子どもに自己決定権を与えません。
これでは限界があります。自分が決めて行く、自分が決めたことをやる、という自律性が育たないと、困難な状況を打破したい新しい環境に飛び込んだりそのような変化が生まれにくいです。
これは自己決定理論と呼ばれる有名な理論でも同じようなことが主張されています。
自律性、能力、関係性という3つの「基本的な心理的ニーズ」を満たしながら、目標を効率的に追求し達成することが、幸福の結果をよりポジティブなものにする、と主張しています。(Edward L. Deci、 Richard M. Ryan)
基本的な心理的ニーズとはなにか?
自律性、能力、関係性の3つを挙げています。この3つの欲求を満たすことが重要です。
- 「有能さ」は自分の能力とその証明に対する欲求。
- 「関係性」は周囲との関係に対する欲求。
- 「自律性」は自己の行動を自分自身で決めることに対する欲求。
自己決定は、「自律性」に当てはまりますね。
自己決定している状態というのは、内発的動機づけができている状態です。
自分が本当にやりたいこと、楽しいことをやっている状態です。
一方、Edward L. Deci、 Richard M. Ryanは、「外的調整」「取り入れ調整」「同一化的調整」「統合的調整」と呼ばれる状態も定義しています。
これらは、一言でいうと外発的な動機づけにより行動している状態です。
自己決定指標が高い状態が、幸福である、ということは、とにかく内発的動機づけを重視して、好きなことをやりつづける、ということがとても大切だということですね。
子育てに当てはまると、いかに、子どもの「好き」を大切にしてあげられるか。これが大事だなと思います。子育ての過程に、子どもの自己決定を盛り込むことが大切です。
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