リーダーシップには2つの種類がある。リーダーとは、組織のトップに立つ人なので、「組織のヒエラルキーには2つの種類がある」と言っても良い。
1つは、支配型のヒエラルキー。もう1つは尊敬型のヒエラルキーだ。
支配型ヒエラルキーとは?
支配型のヒエラルキーとは、「いいから、やれ!」という高圧的、威圧的なリーダーシップに基づくヒエラルキーだ。
やることが決まっていて、「いいからやれ」という一言で仕事が進んでいく組織には有効とされる。有無を言わさず、高圧的な言動で、力強く半ば強引にチームメンバーを鼓舞していく。
やることが決まっているから、あとはやるだけ、という状態だ。
尊敬型ヒエラルキーとは?
一方、尊敬型ヒエラルキーというのは、困難な状況や複雑な状況、困難な課題に向き合う時に、有効なヒエラルキーと言われている。
尊敬型ヒエラルキーのトップに君臨するリーダーは、チームメンバーに心理的安全性を提供して尊敬の眼差しを集める。そうすることで、メンバーは意見を出しやすい雰囲気になる。
たくさんの情報が共有され、交換され、様々な角度から意見が出てくる。そういうことを通じて、複雑な問題や困難な課題を解決することができる。
困難を打開していくには、画一的な考えの者同士ではなく、多様性の中から打開策が生まれてくる。
多様な世の中において、尊敬型ヒエラルキーが求められる
性的マイノリティを表すLGBTなど、様々な概念や様々な価値観・考え方が、世の中に広がってきている。これは世界全体で見たときに、心理的安全性が比較的高くなってきている証拠でもあるだろう。皆、心理的な安全性を感じているから、様々な意見(特に、少数意見とされるような意見)を世の中に発信できているのだ。
もう一つは、科学技術の進歩により、簡単に自分の意見を発信することができる環境が整っている、という点も挙げられるだろう。SNS、YouTube など様々なメディアを使うことで、自分の考え方を世の中に発信することができる。しかも、匿名で出来る。
これらのサービスをうまく活用することで、かつてないほど様々な情報が世の中にあふれ、様々な考え方、様々な意見が錯綜する世の中になる。
そうすると、今まで以上に「尊敬型ヒエラルキー」が重要になってくると言えるとおもう。
むしろ、これからの時代は、尊敬型ヒエラルキーしか残っていかないではないか、とさえ思う。
旧態依然とした日本の大企業においては、いまだに上から威圧する「支配型ヒエラルキー」が数多く存在する。そんな中で、部下である若手は、支配型の上司をまったく尊敬していないので交わらない。
部下の考え方がわらない、価値観が合わない。
だから、これからは自分の価値観をしっかり言語化すること、そして、しっかりと回りに表現することが非常に大事になってくる。価値観というのは、一度決めたからといいて、こだわりすぎるのもあまり良くない。柔軟性を持って自分の価値観を常に進化・変化させていくことが非常に重要である。
もう一つ重要なことは、多様な価値観がうずまく複雑な社会で、価値観の違う人とどのように向き合っていくかということだ。価値観が違うということは衝突するということである。ひどい場合には、戦争にもなる。
それぐらい価値観の違いというのは、大きな衝突を生む。しかし、価値観の違う人との意見交換は必ず自分を成長に導いてくれる。なので、価値観の違う人とうまく付き合っていけた方が良い。その方法を学んでいくことが必要なのである。
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