
ダメな褒め方ってあるの? 良いことをしたら褒めてあげたらいいんじゃない?

褒め方にも、良い褒め方と良くない褒め方があるよ!
【ダメな子どもの褒め方】の共通点
みなさん、日々の子育ての中で、ついついこんな褒め方をしていませんか?
- 成績が上がって、すごいね!
- 試合に勝ってすごかったね。よく頑張ったね。
- テストで100点取ってすごいね。
- 前回よりも成績が上がれば、おこづかいを増やしてあげる。
これらの褒め方の共通点が何か、わかりますか?
【ダメな子どもの褒め方①】アウトプットを褒める
それは、すべて「アウトプット」に対して褒めている点です。
- 成績が上がる
- 試合に勝つ
- テストで100点を取る
- 前回よりも成績が上がる
これらは、すべて、子どものアウトプットです。
【ダメな子どもの褒め方②】能力を褒める
その他、アウトプットを褒めること以外にも、ダメな褒め方があります。
それは、「能力を褒める」ことです。
- 勉強ができてえらいね
- 運動ができてすごいね
- 歌がうまいね
- センスがいいね
これらは、すべて能力を褒めています。
なぜダメな褒め方なのか?
それでは、アウトプットや能力を褒めると、どうしてダメなのでしょうか?
【ダメな理由①】行動経済学的にダメ
ハーバード大学経済学部のフライヤー教授が2011年に行った実験・研究から、アウトプットに褒美を与えることはあまり効果的ではないことが明らかになっています。
- 「テストで良い点を取ったらご褒美」と「本を読んだらご褒美」のどちらが効果的なのか実験した
- アメリカのシカゴ、ダラス、ヒューストン、ニューヨーク、ワシントンDCの5都市で、小学2年生から中学3年生の約36,000人の子どもを対象に実施した
- 「教育生産関数」という分析枠組みを使って、どのようなインプットがアウトプットに影響しているか、明らかにしようとした
アウトプットを褒める方法では、「なぜ、そのようなアウトプットに至ったのか、その過程の良し悪しを理解することができない」ため、ダメな褒め方と考えられます。
【ダメな理由②】 自己肯定感が下がる
能力を褒めることは、ダメなのでしょうか?
それは、仮にできなかったり、失敗した場合に、「自分には能力がないんだ」と思ってしまうからです。自己肯定感が下がってしまいます。
自己肯定感や自己効力感が低ければ、課題や難題に挑戦する意欲が低下する傾向があります。
【良い褒め方】インプット・行動を褒める
それでは、どのような褒め方をすれば良いのでしょうか?
もう、おわかりですね。それは、「インプット」や「行動」を褒めるということです。
- 毎日、宿題に取り組んでいてえらいね
- 試合に向けて、毎日練習に取り組んでいてすごいね
- 前回のテストから、しっかり復習に取り組んでいて、素晴らしい
- みんなの前で大きな声で歌って、素晴らしかったよ
このように、インプットや行動に対して褒めることで、何をすべきか、具体的な方法を理解することができます。その結果として、望んでいる結果を手に入れる事ができます。
まとめ
褒めることは、良いことですが、「褒め方」が重要です。
アウトプットや能力に対して褒めるのではなく、行動やインプットを褒めることが大切です。そのためには、日頃から、子どもたちの小さな行動や変化に目を配らせる必要がありますね。「教育は観察から始まる」と思います。
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