【フィンランドの教育との比較】順位をつけることに意味はあるのか?

幼児教育

A:「マラソン大会で、順位をつけたり、表彰したりすることありますか?」

B:「一人ひとりに順位をつけて、賞状を作って渡しています」

A:「正直がっかりしました。本来は、運動がいいことなのに、ビリになったことで運動が嫌いになり、将来運動しなくなるのではないですか」

【フィンランドの教育】順位をつけることに意味はあるのか?!

この会話は、あるテレビ番組でのフィンランドの小学校の校長日本の小学校の校長との会話です。

日本のマラソン大会を見学した際のフィンランドの校長が発言したものです。

どちらがフィンランドの校長で、どちらが日本の校長か、おわかりでしょうか?

答えは、Aがフィンランドの校長で、Bが日本の校長です。

どちらも、お互いの熱い教育論をぶつけ合って、どちらも譲っていなかったですね。ただ、最後の 「正直がっかりしました。本来は、運動がいいことなのに、ビリになったことで運動が嫌いになり、将来運動しなくなるのではないですか」 というフィンランドの校長の発言のあとには、日本の校長先生が顔をしかめていました。

かなり前の動画だと思いますので、この日本の校長先生と考え方が少し古いのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれません。私の学生時代を振り返ってみても、マラソン大会で順位をつけられて、上位入賞者には表彰していました。

私は決して長距離を速くなかったので、フィンランドの校長が言うように、苦手意識を持ちました。その後も、学生時代はスポーツを続けましたが、どこか心の中で「長距離走は苦手だ……」という猛烈な苦手意識を持っていました。

最近は、大人になってからランニングに励む人がたくさんいますが、私はランニングを習慣化して取り組むことはありませんでした。

最近の教育トレンドとしては、フィンランドの校長先生のように順位や偏差値をつけることはあまり効果的ではないということが明らかになってきています

スタンフォードのオンライン・スクールの校長である星さんの著者にも書かれています。スタンフォードのオンライン・スクールでも、順位付けや偏差値といった数値化は行なっていないようです。

その子ども一人一人に沿った教育カリキュラムを作成し、子どもの伸ばすべき能力を伸ばしていく。そういうことに注力しているようです。

【フィンランドの教育】一番になるのではなく、幸せになることが大事?!!

話が少しそれますが、東京オリンピックがありましたね。金メダルを目指して戦う姿には、非常に感動しました。

フィンランドの教育が、順位を気にしないのであれば、フィンランドの国民はオリンピックなどの順位を競うスポーツにおいて、どのような成績を残しているのだろう?と気になりました。

すると、銅メダルが2つでした。全体で85位のメダル獲得数でした。

歴代のメダル獲得数(金銀銅の合計、2021年東京オリンピック終了時点)を調べてみると、

  • フィンランド
    • 夏季オリンピック : 314個(14位)
    • 冬季オリンピック : 167個(11位)
  • 日本
    • 夏季オリンピック : 499個(9位)
    • 冬季オリンピック : 58個(16位)

意外とフィンランドもたくさん獲得している印象です。順位なんて関係ない!と言いながらも、本当に好きなことで自分が努力できる分野においては、しっかり結果を出している、ということでしょうか。人口規模からいうと、むしろフィンランドのほうが良い結果かもしれませんね。

【フィンランドの教育】2003年のPISAショックから注目を浴びたフィンランド教育

フィンランドの教育はPISA調査の結果が高得点だったことから注目され始めました。

特に2003年のいわゆるPISAショックが、日本の教育(当時のゆとり教育)に疑問が呈され、フィンランドの教育に注目がいきました。

フィンランドの教育が、日本の教育よりも優れているのか? (または、その逆が成り立つのか?)

一概にはそう言えないと思っています。

年齢やタイミングに応じて、教育の良し悪しは変わってくるのかなと感じています。例えば PISA調査の対象である15歳3か月以上16歳2か月以下の子どもへの教育においては、日本の教育よりもフィンランド教育の方が良いのかもしれません。

しかし、日本の大学とフィンランド大学を比べると、日本大学の教育レベルの方が高いと思います。日本の最高学府の東京大学は世界大学ランキングで36位、フィンランドのトップ校であるヘルシンキ大学は98位です。もっというと、アメリカの大学の方がもっと高いです。

引用:World University Rankings 2021

一方、大学教育が優れているアメリカが、幼児教育や小学校教育でも素晴らしい教育をしてるか?と言うと、そうでもなかったりします。アメリカにおいては、人口が多いため、教育格差が広がり、幼児教育や小学校教育のレベルの平均値を見てみると、そこまで素晴らしい教育ができるとは言えません。

そういった意味では、フィンランドの方が良い教育をしているのでしょう。

どのステージを切り取って、教育を語るかによって、国単位の教育レベルも変わってくるということでしょうか。

重要なことは、教育されるフェーズを卒業して、社会人になった時に、どのような活動をしているのか?あるいは、どの程度の幸福感を持って暮らしているのか?などなのかと思います。

そのような多様な観点から、その国の教育の良し悪しというのを見てみる必要があるのかなと思います。つまりは何のために教育するのか?と言うことですね。

まとめ

いかがだってでしょうか。

今回は、Youtubeでの動画をきっかけにフィンランドの教育から、教育の目的のようなものを考えてみました。参考になれば幸いです。

世界幸福度ランキングというものも、各国の教育レベルや教育施策と比較しながら見てみると面白いです。改めて深堀りしたいと思います。

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