目標設定はとても大事である。
そんなこと、皆さん、わかりきっていることだと思います。
しかし、目標設定することで具体的にどのようなメリットがあるのか? きちんと説明できる人は少ないかもしれません。しっかり言語化することは難しいかもしれません。
今回は、アメリカの心理学者であるエドウィン・ロック氏の目標設定論ご紹介したいと思います。

エドウィン・ロック氏は、効果的な目標設定に向けた7つのステップを、次のように述べています。
- 目的や課題を明確化する
- 業績や成果の計測方法を明確化する
- 達成すべき基準とターゲットを具体化する
- 目標達成までの時間と範囲を明確に定める
- 目標に優先順位をつける
- 目標達成の困難度と重要度を定める
- 目標達成に必要な調整を行う
また、目標とパフォーマンスの関係は、その人が自分の目標にコミットしているときに最も強くなります。ミットメントは、目標が困難であることが重要です。これは、人間にとって困難な目標は、高い努力を必要とし、簡単な目標よりも成功の可能性が低くなることと関連しているからです。
このようなことが分かっています。
つまり、高い目標立てたほうがいいということになります。
じゃあ、「高い目標を立てれば何でもいいのか?」ということになりますが、そういうわけでもありません。
目標設定が効果的でない場合は、以下のようなことが考えられます。
- 目標をパフォーマンス尺度に一致させていない
- フィードバックを提供していない
- 目標コミットメントを得ていない
- 本人の個人的(自己設定)目標を測定していない
- 特定の高学習目標が必要なときにパフォーマンス目標を設定している
- 環境が不確実性で特徴づけられているときに近位目標を設定していない
- 目標の難易度を十分な範囲で盛り込んでいない
重要なことは、その人が本当に達成したい目標であるかどうかということです。
最近では、SEL(Social Emotional Learning)という言葉も出てきていますが、感情の理解が学びを高めるということが分かってきています。
つまり、高い目標を立てたとしても、そこに感情が入り込まなければ、その高い目標に向かって行動する意欲が湧いてきません。いかに感情のこもった高いレベルの目標を立てるかがポイントになります。
もう1つ重要なのが、「フィードバック」です。
フィードバックの重要性は、insightという本でも、書かれています。目標達成において、目標に対する進捗状況を明らかにするフィードバックが重要です。
しかし、フィードバックは、なかなか正しくできません。理由は、主に2つあって、①人間は、自分のことを高く評価しがちで、自分のことを正しくフィードバックすることができません。②人間は、他人を傷つけることを恐れて、相手に本当のこと(=正しいこと)を伝えることができません。
そういう意味で、正しく自分を客観視する力(=メタ認知能力)、本当のことを言ってくれる友人を持つことが重要です。
ロック氏の目標達成論については、もう少し、体系的に整理していきたいと思います。
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