最近、子育ては環境づくりだなとつくづく思います。
自分の子供を育てていても、あるいは他の方々の子育ての様子を見ていても、本当に「子供への環境づくりが、子育てそのもの」と言っていいくらい、環境づくりが大切だと感じます。
「子育て」とか「教育」という言葉は、文字通り「子供を育てたり、教えて育てること」という意味合いですが。
これらの言葉は、「大人目線」の言葉です。
- 「親」が「子供を育てる」
- 「先生」が「子供を育てる」
- 「大人」が「子供に教える」
- 「先生」が「生徒に教える」
これらは、すべて「大人目線」の言葉です。
このような考え方では、どうしても価値観や常識の押し付け、あるいは、「その大人が経験してきた教育の再現」といったことになりかねません。
古い価値観の押し付けと受け取られ、あまり良い気がしないかもしれません。
その親が子供時代に育った環境と、現在の子供の取り巻く環境は、大きく違います。考え方、価値観、科学技術の進歩、文化、ビジネス習慣、経済活動、いろんなものが刻々と変化していってます。さらに、その変化のスピードは昔よりもはるかに早いはずです。
こうした環境の中で、子どもが学び、育って、成長していくわけです。
果たして、
「大人の凝り固まった考え方を押し付けたり、常識を押し付けることが、いいことなのか?」
このように思う人が多いのではないでしょうか。実際に、昨今の教育トレンドとしては、親や先生などの保育者から子どもへの一方的な教育は、あまり効果的ではない、と言われています。
大人の視点で、一方的に子供を育てあげるのではなく、
子供が自主的・主体的に育っていく過程を大人がサポートする。
こういう姿が、効果的な教育であるということが徐々に明らかになってきています。
子供が育っていく過程をサポートするために、しっかりと「環境づくり」をする。その「環境づくり」が大切だと分かっていても、なかなかうまく実現できない人も多いのではないでしょうか?
子どもの「環境づくり」のために、具体的に何をすればいいのか? 何が大事なのか?
私が、常々、大事にしていることは「言葉がけ」です。
環境というのは、ついつい物理的な環境や空間をイメージしがちですが、私が考える、環境を構成する要素の中で、最も重要なものは、言葉だと思っています。
どんな人が、どんな言葉をかけてあげるのか? その言葉の集合体が環境だと思うのです。
多くの子供にとって、最も身近な環境は、家族あるいは学校だと思います。そういう意味では、親や先生が、どのような言葉を子供にかけてあげるのか? 投げかける言葉が子育ての重要な要素であるという信念を持ち、意識的に選びぬかれた言葉をしっかりと子供に投げかけてあげることが大事だと確信しています。この言葉の投げかけの積み重ねが、本当に重要だと思います。
子供同士の言葉の投げかけも頻繁にありますね。たとえば、家では兄弟同士の言葉のやりとり、学校では友達同士のやりとり。このような関係の中で、ある子供が明らかに間違った言葉かけをしていた場合は、親や先生などの保育者が注意して是正していくことが重要だと思います。
例えば、友達の人格を否定するようなことを言ったり、いじめまがいの発言をしたり、こういった言葉がげがあれば、しっかりとするを確認して、注意することが必要です。
このようなことを積み重ねていって、子供にとって良い言葉がけだけが溢れる環境を作り出し、その環境の中で子供が心理的安全性を感じることで、初めて主体的・自主的に学べる環境が出来上がるのだと思います。
コメント